和菓子街道 伊勢街道 松阪 福徳餅

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「福」印の絶品餅菓子

 天保元年(1830)創業の福徳餅は、元は松阪大橋の手前の街道沿いにあったという。先代頃、その元の場所は製造所とし、松阪市街の街道沿いに喫茶中心の店を開いた。ところが、先代がなくなると、「“若い人”が同じ福徳餅という店名のままで餅菓子屋をやっている」のだという。これは、市街地にある福徳餅(福徳餅本舗と呼ぶ人も)の女将さんの談。橋の手前の店のことは今はよくわからないのだとか(そちらの店は、福徳餅本店とも称される。松阪市西町2501、電話0598-21-0615)。なんだか複雑だが、どちらもさわ餅などの餅菓子を作る餅屋だ。

 どうやら本家らしい市街地の福徳餅(本舗)には、明治の頃に実際に使っていたという湯を沸かす茶釜が店内にでんと据えられている。今でも昔の茶店のように、店内の喫茶スペースでできたての餅菓子とお茶を頂くことができる。創業当初は名もない茶店だったが、京都からお伊勢参りにやって来た人がこの店の餅菓子をいたく気に入り、「福徳餅」と名付けたそうで、それがいつしか店名にもなったのだという。

 その看板菓子の「福徳餅」は、西町の福徳餅(本店)にはない菓子だ。北海道十勝産小豆で作る漉し餡を餅で包んだ大福様の餅菓子で、テニスボールを半分に切ったような形で、ふっくらとしており、頂に「福」の字の焼印が押されている。注文してから急いでこしらえてくれるらしく、軟らかいばかりか、まだほんのりと暖かみが残っている。要するに、扁平ではなく、こんもりと盛り上がった大福なのだ。いや、大福という言葉では物足りない気がするほど、存在感のある丸い餅菓子なのである。

 そして、この盛り上がった分だけ、ぎっしりと漉し餡が詰まっている。水分をかなり飛ばしてあるので、餡の比重は見た目以上だ。それでも、塩がやや多めなのか、コクがありながらもすっきりとした味わいなので、くどさはない。「福」の焼き印で餅が少し焦げて、香ばしい。

 この他、餅屋らしく餅分の多い分厚く弾力のある餅に粒餡を挟んで二つ折りにしたさわ餅(白と草餅がある)、黒糖を搗きこんだ黒糖餅など、いずれも餅菓子ながらバラエティは豊富だ。ぜんざいも評判とのことなので、いつかは味わってみたいと思う。餅屋の餅入りぜんざいなんて、心惹かれるではないか。

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fukutokumochi.jpgfukutoku-half.jpg福徳餅

fukutoku-sawamochi.jpgsawamochi-half.jpgさわ餅

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黒糖餅










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店舗情報

福徳餅
  菓子: 福徳餅(1個110円)、さわ餅(白・草、1個110円)、黒糖餅(1個110円)他
  住所: 三重県松阪市湊町239
  電話: 0598-21-1685
  営業時間: 10:00~18:00
  定休日: 木曜日(不定休)